■米経済の悪いニュース

景況指数が01年以来の低水準となり、UBSが金融機関の損失が6000億ドルを上回る可能性が高いとの見方を示したため、売りが膨らんだ。ドル円は103円台突入だが、こちらの背景は米経済の悪いニュースに加えて、バーナンキ議長のドル安は貿易赤字縮小につながるという発言。まったく能天気である。  米株はこれで金融株や通信株を中心 FXにS&P株価指数の全10セクターが下げてしまった。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は1対11。S&Pとダウ平均の4カ月連続の下落は02年以来最長。S&P500種構成企業の07年第4四半期決算は平均で23%の減益。  ブルームバーグが集計したアナリスト予想では、第1四半期は3%減益が見込まれているものの、08年通年では13.7%の増益が予想されている。これだけを見ればアナリストはまだまだ強気に感じるかもしれないが、実際はアナリストは着実に弱気になっている。2カ月前は第1四半期の予想が4.7%増益、通年は15.1%増益だったからだ。アナリストは急速に収益予想を下FX方修正している。  悪い個別銘柄はAIGとアムバックだろう。まずAIGの純損失は52億9000万ドル。サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連証券などで111億ドルの評価損を計上。さらに追加の評価損計上もありうるという。最近、週末のバッドニュースを恐れるばかり、「金曜は売りが出やすい」とはいうもののこれだけ悪いニュースが続くのは珍しい。UBSは29日付のリポートでサブプライム関連の損失は少なFXくとも6000億ドル(約62兆5700億円)に上る可能性が高いという。  金融機関がこれまでに明らかにした評価損や信用損失は1600億ドル超に過ぎなかったので、一気に4倍近くになったことになる。「レバレッジを効かせたリスク資産の持ち高は現在の市場では最大の問題となる。早く対処するほど良い」。AIGについては「評価損に苦しんでいるのは銀行だけではないということを明確に示している」(同レポートより)。  マーケットの混沌はまだ続こう。(石上) 1ドル100円を割る流れである スタグフレーションか  ブッシュ米大統領が、「米国は景気後退(リセッション)しておらず、減速(スローダウン)しているだけ」との認識を示した先週、日本では、米国経済の減速を受け、当面デフレ脱却は難しい、との報告(日本経済研究センター)がまと外国為替められた。  一方、先週は、CRB指数が初めて400台へ乗せるなど、インフレ懸念を背景に、商品相場の上昇が目立つ。1バレル=90ドル程度なら、小幅増益が予測される来期の企業業績も、これが100ドルといったさらなる原油高では、業績悪化は避けられない。  景気先行きに不透明感が強まるなか、市場の関心は、各国の景況感がさらに悪化するのか否か、に集中しよう。  日銀の利上げシナリオへ疑問符をつけた前述の報告で指摘されていたのは、追加利下げが見込まれる米国との金利差が縮小し、1ドル=100円を割れるような円高が進行する可能性についてだ。  そのようななか、先週ドルは、対ユーロで99年1月のユーロ導入来の最安値を更新。また、昨年4回の利上げを実施したニュージーランド・ドルは、85年3月の変動相場制移行後の最高値を対ドルで更新した。今後、各国の景況感格差や金利差が、為替相場を左右していくことになるのか。折しも今週は、政策金利発表も各国で複数予定されており、注目したいところだ。(和千) 買われ過ぎの円はどうなるか 為替「魔の2月下旬」  2月のドル円は一進一退の膠着相場が続いていた。しかし、下旬に入るとにわかに動意付き、ドル急落へ向かった。  これは最近のドル円について解説したものではない。昨年も一昨年も、2月のドル円は過去2年連続でそんな展開となったが、果たして3年連続は?  今年の20日までの2月ドル円値幅は3円弱にとどまった。106〜108円を中心とした方向感のない展開が続いたわけだ。  ただ、こういった展開は、基本的に昨年も、一昨年も同じだった。過去2年連続で、20日までの2月ドル円値幅は3円前後に過ぎなかった。  ところが、そんな膠着相場は、過去2年連続で下旬に「異変」をきたした。下旬に入ってにわかに動意づいたドル円は、3月初めにかけてドル急落へ向かった。2月20日終値に比較したドル下落率は、昨年は4%超にもなった。  さて、こんなふうに見てくると、今月中旬までの方向感を欠いた小動きも、今年特有のものではなく、2月はそもそもそんな動きになりやすいということなのかもしれない。そしてそんな2月、下旬は一転波乱が起こりやすかったということからすると、今年もこれからがいよいよ予断を許せない。  ところで、過去2年連続で起こった「魔の2月下旬」とはどういうものだったか。主役の一人はエマージングだった。昨年は2月26日に上海の株価が急落、それをきっかけに世界同時株安となった。一昨年は、2月21日にアイスランドの株価が急落。これを受けて一部のエマージング株価や、高金利通貨がリスク投資圧縮で急落した。  ただ、過去2年と今年の2月には違いもある。その一つは、為替の取り組みだ。具体的には、過去2年は、「魔の2月下旬」が始まる前まで為替市場は大きく円売りに傾いていたようだったのに対し、今回は正反対に円買いへ急傾斜しているようだということ。  円売りが「梯子を外す」形となって起こった過去2年の「魔の2月下旬」。それに対して今回は、すでに低金利円としてはかなり記録的な円「買われ過ぎ」状態になっているようだ。それでも「魔の下旬」で円は一段と「買われ過ぎ」拡大に向かうのだろうか。現在はそんなことが試される局面にあるようだ。=蒼い稲妻= ヒラリー氏の完敗歴然 来月4日で撤退ある  米大統領選は、野党民主党の候補者選びが大混戦となっている。次のヤマ場は「ミニチューズデー」などと言われる3月4日の予備選だろう。  筆者はその結果を受けても依然情勢は混沌としたまま、と考えていたが、現地から伝えられる話を聞くとそこで決着のつく可能性を否定出来なくなってきたようだ。つまり、別の言い方をすると、それぐらいヒラリー氏は追い詰められた状況にあるという。残り一週間あまりの期間でヒラリー氏の巻き返しは叶うか?  ご存知のように、ヒラリー氏はいわゆるスーパーチューズデー後、まだ1勝もしていない。具体的に言えばオバマ氏に現在まで10連敗(ヴァージン諸島含む)を喫した。  そうした「負け」のなかには当然致し方のないものもあるが、下馬評ではヒラリー有利と言われつつ、逆転負けを喫した先もあり、ヒラリー陣営には動揺が走ってしている。実際、14日付けの米WSJ紙では「広告担当と世論対策担当が成績不振の原因をめぐって、責任のなすりつけ合いをしている」―などとヒラリー陣営の内紛が生々しい。  そんなヒラリー陣営が動揺している最大の要因は、「首都圏決戦」などと言われたバージニア、メリーランド、ワシントンDCの3州でオバマ氏に競り負けたこと。とくにワシントンDCの負けが衝撃となっているようだ。  理由については幾つかあるが、とくに次の2つの意味でダメージが大きいと考えられている。順に説明すると、ひとつに政府関係に勤務する人が多く、全米のなかでも政治に関心の高い人間が居住する地域として知られていること。つまり、「プロ」のあいだでヒラリー氏は人気のなさを露呈した格好にあるわけだ。  また、ヒラリー氏は夫のビル・クリントン氏とともにかつてワシントンDCに居住、また彼女の職場は現在もワシントンDCのキャピタルヒルにある。つまり、「地元」と言ってよい地域であるにもかかわらず、新参者のオバマ氏に敗北したことになる。  いずれにしても、あとのないヒラリー氏は来月4日に投票が実施される大票田のテキサスとオハイオにターゲットを絞った選挙戦を展開している。そこでオバマ氏に敗れるようだと、残念ながら選挙戦からの撤退も否定できない。(鹿の角) モノライン問題の本質(1) 米国のMMFが危ない  モノライン問題とは、保険会社であるモノライン大手が自身のトリプルA格を失うことで、その保険対象である米地方債やCDO(債務担保証券)などのトリプルA格が同時に引き下げられ、金融市場が一層の混乱状態に陥る懸念を意味している。流動性リスク、クレジットリスクの問題とされるが、話はそう単純ではない。  格付機関大手は月中にもモノライン保険大手の格下げ見直し作業を完了。また、今年度第1四半期決算が迫る3月末前後が、モノライン問題の節目の一つと考えられる。米新会計基準(FAS157)に基づく時価会計厳格化が正式に適用されるのが、08年第1四半期からだからだ。マーケットではモノライン保険大手が、サブプライムCDO関連の大規模な損失を抱えていると見なし、その決算において、踏み込んだ計上処理が行われると見なしている。その前、または同時に何らかの大規模な資本増強策が実施されなければほぼ間違いなくAAA格は失われる。  第一にCDOなどの評価損が追加的に発生し、欧米金融機関などの収益を一段と圧迫する。  第二に米地方債などによる資金調達コスト上昇などが地方財政を圧迫する。  第三に米地方債に投資している一部のMMFや投資信託の運用悪化につながる。  日本人投資家が想定しているのはせいぜい@で詳しい人間でもAまで。米国の地方債には、網走市のようなところもある。そこが信用収縮すると大問題だ。しかし、もっとも大きな問題は実はB。地方債税制優遇を利用する地方債ファンドがある上に免税MMF(短期の地方債中心に投資するMMF)と、Tender Option Bond という仕組などを介して間接的に地方債に投資するMMFが米国には多いのだ。  これまでのサブプライム問題は、主にCDOなどのリスク資産に関する問題であった。しかし、地方債ファンドやMMF などは、ほぼ米国でも無リスク資産と認識されており、モノライン問題の影響が、これまでとは異なる側面に及ぶ。保有する主な投資家は、米国の堅実な個人。もしMMFが崩壊すれば、影響は消費など実体経済を含め、甚大であろう。モノライン問題とは米国のMMF崩壊リスクでもあるのだ。(石上) 銀行はどちらかに統一すべし 生体認証規格に疑問  先日、ある銀行で預金口座を開設する機会があった。そこで目にしたものが、生体認証ICキャッシュカードの申し込み用紙。  ATMを利用する際、生体認証は、不正防止に有用な手段である。ただ、その方式、現状は「指」と「手のひら」に規格が二分している。  この金融界の「規格」問題。この先、どちらかに統一されるのか?利用者へのシワ寄せは避けてもらいたいものだ。  先週、日本半