■モラルハザード

ンド」が救済の対象とはなりにくい。そうでなくとも相次ぐ救済は一歩間違えるとモラルハザードになりかねないのだ。そうなるとファンドの損失は連鎖反応となり、信用収縮は金融 外為緩和でも特別融資でも乗り切れないカオスに突入した。  悪魔は囁く。「銀行、証券、金融保証会社(モノライン)が次々にやられて、次はヘッジファンドだ―」。(石上) 損失予想額78兆円 大手証券の末路哀れ  昨年9月、国際通貨基金(IMF)が示した金融機関やファンドのサブプライム関連の損失予想額は、最大2000億ドル。一週間前、それが約8000億ドル(約78兆円)に修正された。市場環境は急速に悪化している。  昨年9月にはまだ120ドル以上の株価だった企業は、先週、僅か2ドル程度の価値と評価された。  全米五位の証券、ベアー・スターンズは、CDO(資産・債務担外為保証券)では大手とされていた会社である。かつての山一證券のようにはできなかった理由もありそうだ。  当事者や当局者による歓迎声明の一方、同社のJPモルガン・チェースへの売却を巡っては、ベアー・スターンズの筆頭株主による反対表明もある。さらには、同社株急落に絡んだ、一部トレーダーによる「風説の流布」の問題が発覚するなど、この先もやや騒がしい状況が続きそうだ。  先週、ドル円相場は一時、95くりっく365円70銭と95年8月以来12年7カ月ぶりの円高水準に達した。だが、「12年ぶり」に驚く間もなく、「戦後初」という事態、いや失態である。   中央銀行総裁の「空席」を受け、来月の金融政策決定会合には、これまで以上の注目が集まりそうだ。  FOMCでの大幅利下ワラントげ後も、米国景気への懸念は払拭できない。市場の一部には、ドル安基調転換のきっかけを、「協調利下げ」とす不動産投資る見方もある。そこで、前述、次回決定会合での利下げの可能性だ。「利下げ予想」をした米系証券からのレポートが話題になったが、仮に「主」不在での利下げがあれば、それもまた驚きに値する出来事だろう。(和千) ドルは92円に向う可能性もある ドル重大な岐路に  先週末、100円を完全に割り込んできたドルは、週明け早々一気に95円台までの続落となった。これによりすでに2カ月間のドル円値幅では、2000年以降の最大を更新するところとなった。  2カ月のドル円値幅の、2000年以降の最大は、2001年11〜12月に記録した12.39円だった。ところが、この2〜3月のドル円値幅はすでにそれを更新した。2月のドル高値が108.62円だから、この時点で2カ月の値幅は13円近くに達したのである。  2カ月の値幅として、2000年以降の最大を更新した今回のドル円だが、1カ月の値幅としてもかなり記録的な拡大となっている。3月のドル円は、これまでのところのドル高値が104.20円だから、すでに値幅は8円を超えてきた。  ちなみに2000年以降のドル円月間値幅の最大は、2001年3月に記録した9.34円。今月の値幅がそこまで拡大するようなら、ドル安・円高は95円割れに向かうといった計算になってしまう。  ただ、逆にいえば、月間値幅、2カ月値幅の観点からは、今月のドル安・円高はせいぜい95円前後までといった見通しになる。それでも円高・ドル安が止まらないようなら、少なくとも2000年以降で経験したことのない円高・ドル安ということになってしまう。  ところで、今回の円高は、昨年6月から始まった動きだ。過去の円高一幕目におけるドル下落率は、14〜26%、平均20%。これに対して、今回のドル下落率は22%を越えてきた。いよいよ過去の円高一幕目における、ドル下落率の平均を超えてきたわけだ。  ちなみに、円高一幕目でのドル最大下落率26%とは、98年8月から始まった円高で記録したものだ。今回の円高・ドル安がそこまで拡大するようなら、この局面で92円前後までドル安が進むといった計算になる。  このように見ると、まだかろうじて過去の経験則で説明可能な円高・ドル安ということにはなるが、逆にいえば、いよいよここでとまらないようなら、これまでに経験したことのない「ドル大暴落」が始まっているということになってしまう。ドルは、そんな重大な岐路に立っているといえそうだ。=蒼い稲妻= 2008-03-18 株式急落が止まらない 金曜日は売りが定説にB  またしても、バッドフライデーだ。いつまで悪い金曜日が続くのか。いずれにしても金曜日の株価急落、ドル暴落パターンから脱却しない限りこのドル安・株安相場からは反転できないのだろう。  さて、金曜日の下落を見てみると、米証券大手ベアー・スターンズのアラン・シュワルツ最高経営責任者(CEO)による電話会見が効いたようだ。ベアー・スターンズは13日になって、顧客離れや同社に対する金融機関の貸し渋りが広がり、資金繰りが急速に悪化。資金繰り難や経営不安のうわさが出て、「深刻な影響を受けた」。「結果、ニューヨーク地区連邦準備銀行の資金繰り特別支援を受ける」。シュワルツCEOはさらに「恒久的な解決を目指し、戦略的な代替策を検討する」と言及、同社が他社との合併や身売りに動くとの見方が浮上している。「顧客を守り、株主価値を最大化する」のが目的という。市場ではニューヨーク地区連銀による同社支援で仲介役を果たすJPモルガン・チェースのほか、米欧の大手金融機関の名が取りざたされている。  ニューヨーク地区連邦準備銀行の資金繰り支援を受けることを決めた背景には、サブプライム問題に端を発した金融市場の混乱で、事実上の「取りつけ騒ぎ」があったということだろう。  それにしてもアメリカが時間が経つのが早い。本邦では景気悪化から山一証券破綻まで8年を要した。米国では景気悪化が判明しつつあるというレベルで早くも破綻騒ぎである。しかし、こうなると、財務基盤の脆弱な証券会社だけではなく、大手の金融機関もどうなのだろうか、という連鎖反応を招く。実際金曜日の急落はその結果だったのだ。  日本では三洋証券が破綻し、四大証券の一角、山一が破綻、大規模な金融再編を経て今日に至っている。米国でも同様のことがあるとすれば、ベアー・スターンズの破綻はせいぜい三洋証券レベルなのであろう。そして大統領選挙前という政治的空白期が本邦のような公的資金注入という大胆な(結果として)政策を打ち出せなくしている。結果的に資本を大きく毀損した金融機関を抜本的に救済する手は無い。その手がない以上、90年代の本邦のように金融システムは常に崩壊のリスクを孕む。それが解決されない限り、ドルの本格反転はない。(石上) 2008-03-17 不透明感の米投資銀行決算 ドル崩れ原油高騰時代  ∨…商品  OPEC加盟13カ国の主要原油によるバスケット価格が、史上初めて1バレル=100ドルを突破し、NY原油先物も110ドルに乗せたのが先週のこと。IEA(国際エネルギー機関)からは、今後も大幅な原油価格の低下は見込めない、との見方もなされている。  一方、米国産小麦の08年5月末時点での在庫量は、旺盛な需要を背景に輸出が伸び、推定2億4200万ブッシェルという約60年ぶりの低水準へ落ち込むという。小麦、大豆などの在庫減が示された米農務省の3月穀物需給を受け、これら商品のさらなる価格高騰も予想される。  2月、400台に乗せて以降、高値圏でもみ合いを続けるCRB指数。このところのドル安もあり、好調が持続しそうな商品市場。そうしたなか、この動きが、国内総合取引所への一歩となるだろうか。  ∨…国内ETF市場  金融庁が「金融・資本市場競争力強化プラン」で、ETFの多様化を提言してから数カ月。東証が、商品ETFを本格導入する見込みとなった。その本気度は、今月下旬開催の「ETFセミナー」で確認できよう。金価格連動ETF上場の先には、原油など、多様な商品ETFの導入も予想される。果たして、投資家の囲い込みに成功するか、興味深いところだ。  ∨…為替  05年以来という日経平均の低迷ぶりは、先述した原油高もさることながら、12年ぶりに、「100円割れ」となった急激な円高によるところが大きい。  欧米金融当局による流動性供給策の発表にも、ドル先安感は完全に払拭できなかった。米国景気の後退懸念に加え、複数のヘッジファンドや一部金融機関へのネガティブな噂など、ドル売り材料が依然目立つ。ドル安の流れは95円まで進行するとのレポートも見受けられるほどだ。  ドル円相場では、今週も日銀総裁人事やFOMCなどが、材料視されよう。だが、今週予定されている米主要投資銀行の決算発表は、不透明感も強く、波乱要因となりかねない。要注意となろう。 (和千) 景気減速=原油安=ユーロ安 ユーロと原油と景気  ユーロ高・ドル安は、この間、原油価格と強い相関関係が続いてきた。その意味では、ユーロ高・ドル安がさらに続くかは、原油価格次第ということになる。ところで、その原油価格は、基本的に中長期のトレンドが世界景気と強い相関関係を持っている。このように見てくると、ユーロドルは原油価格次第で、その原油価格は世界景気次第ということになる。そして、その肝心かなめの世界景気が、2002年から続いてきた回復傾向が終了し、減速に転換する可能性が取り沙汰されてきているわけだ。相関関係に変化がなければ、原油高=ユーロ高・ドル安のトレンドも転換が試されるということになるだろう。  これまで見てきた、2つの相関関係、ユーロドルと原油、原油と景気という中で、後者については非常に長く続いているものだ。これは、原油価格の中長期トレンドは、供給要因より需要要因との相関性が高いことを示している。その意味では、需要要因=世界景気が回復から減速に転換するなら、この数年続いてきた原油高トレンドも転換に向かう可能性は注目する必要があるだろう。  問題は、景気減速=原油安となった時、これまで原油高と連動してきたユーロ高もユーロ安に転換するのかということだ。そもそも原油とユーロの相関関係には、原油が基本的に米ドル建てであることから、原油高で増加したドル資産の為替差損を回避するためにドル売り・ユーロ買いをおこなう影響や、ドル安によって割安になるドル建て原油の買いが増えるといった説明を聞くが、これらは原油反落に転じた時にも変わらない関係だろうか。  「原油高=ユーロ高」が、「原油安=ユーロ安」になるかはともかく、ユーロ高自体がかなり限界圏にあるとは思う。ユーロの対ドル相場は、購買力平価からの割高率が3割前後に達すると反転するというのが過去の実績の示すところであり、それによると1.5ドル前後はまさにユーロ高・ドル安の限界圏ということになるからだ。  そしてそんなユーロは原油と相関関係が続いており、その原油は景気との相関関係から考えると原油安